三浦健太郎『ベルセルク 29』

かつてのハードにしてノーフューチャーな路線を愛していた人々には、すっかりぬるく感じる様になったんではないかと思って久しい6人パーティー路線ですが。
ここ数年物語の指針の定まらなさというか、作者のやりたい表現の方向性が微妙に定まってないのがどうにも不思議でしょうがない。
最初期のVS使徒編、鷹の団編と現状の様式がそれぞれ違いすぎるのは言うまでもないのだけれど、初期の『バキ』みたいな人外VS人間の限界路線もリアル中世騎士路線もお話の指針であると同時に巧妙なベタRPG感の迷彩になっていたと思うのですよ。
だから現状の緩いダダもれ感が非常に解せないというかなんというか。
もしかしてこれだけ重厚な世界設定にも関わらず、展開考えてないのか、も、とかちょっと思った。『ロスト・チルドレンの章』とか、ねえ。

ところで、シールケの登板とはつまり「ベルセルクの萌え登入」だったということに今更気付いた。「はだかダイブ」とか。「あーん」とか。
いやあ、畏れ入った。

ベルセルク (29) (Jets comics)

ベルセルク (29) (Jets comics)