漫評

09年漫画ランキングを混ぜっ返す その2

つづきー。本日にて冬休み終了の嘆きと恐怖をぶつけて書き殴ります。 北村游児『美少女いんぱら! 2』JumpComicsDX美少女いんぱら! 2 (ジャンプコミックスデラックス)作者: 北村游児出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/11/04メディア: コミック購入: 1人 …

 09年漫画ランキングを混ぜっ返す その1

もうこのマンガがすごいとか出揃っていると思いますが、当然今年大変面白かった『少女ファイト』とか『弱虫ペダル』とか『となりの怪物くん』とか『宇宙兄弟』とか『惑星のさみだれ』とかはそういうところでいっぱい触れられてると思うんですよね。ザワさん…

志村志保子『ミシンとナイフ』

出張先の古本屋にて発見。これで現存する単行本コンプリートでおれ大喜びなのだけれど、この喜び、誰とも共有できないので非常に残念です。 で、一応本当にそろったかどうかさらってみた過程で(揃っていた)、志村さんが1970年生まれだというのを知って、い…

高橋慶太郎『オーディナリィ±』

高橋さんは絵柄の進化が逆走していてかっこいい。アフタヌーンだったかシーズン増刊だったかで連載読んでたけどヨルムンガンドの人だとは気付かなかった。こういうの結構多くてマンガ読みとしては致命的かもしれぬ。でも岩原裕二は激変しすぎだ。オネアミス…

伊藤悠『皇国の守護者 5』

高橋慶太郎の新刊にびっくりして『皇国の守護者』をスルーしてしまい、次の日慌てて買いに行ったらなんか最終巻。 やっぱり世間評の「原作より面白い」ってのが気にくわなかったのかなあとか身も蓋もないことを思ったが、関連記事をざっくり洗ったところ原作…

中山昌亮『不安の種+ 1』

すっかりわすれてた。さて、ぼくらの大好きな『不安の種』が帰ってきたぞ。やったー! やったー!超怖えー!!「エピソード一個一個のネタだけで普通に相応の作品が描けるハイコストな恐怖漫画」故の連載終了か、という捉え方だったので再開とても嬉しいです。…

木城ゆきと『銃夢 Last order 10』

闇雲に増殖するノヴァ教授やらケーブル代わりの手足を爆薬で切断して強制接続遮断とか非常に好ましかったんだけど、やっぱり全体的に緊張感に欠けるのは何でなんだろうと熟考の果て。「テキサス感((c)映画秘宝)の減少』という結論に辿り着いたのだけど納得…

志村志保子『女の子の食卓 3』

最も近くさわったものが映画『マタンゴ』と実話怪談本だったので、熟考の上こうなりました。一巻は既に二年前か。すごいな。 詳細は下のエントリ見れ。二年前の。一巻に比べて二巻はエロなし男女関係控えめだったんですが、その分些細なすれ違いとか価値観の…

志村志保子『女の子の食卓』

珍しくジャケ買いしました。なかなかどうしてよろしかったのです。女の子のささやかな日常を食べ物に少し引っかけて切り取った短編連作。繊細な、ささやかな、脆弱な、取るに足らない、ともすれば何も起きていない様にすら見えるかもしれないあれこれ。例え…

木城ゆきと『銃夢 Last Order 8』

迷走するSF漫画も8巻目。早いもので。 カエルラの過去語りメインを久々に愉しく拝読。しかしこれ銃夢じゃなくていいよな。どうも『Last〜』は出足から仕切り直しというより根本的に辻褄が合うように改ざんしちゃった様なな印象というか往生際の悪さみたい…

三浦健太郎『ベルセルク 29』

かつてのハードにしてノーフューチャーな路線を愛していた人々には、すっかりぬるく感じる様になったんではないかと思って久しい6人パーティー路線ですが。 ここ数年物語の指針の定まらなさというか、作者のやりたい表現の方向性が微妙に定まってないのがど…

フランク・ミラー『シン・シティ:ハード・グッドバイ』

やばいものすごいかっこいい。 どんだけすごいって二ヶ月止めてた日記も余裕で動くよ。 メジャーはフルカラー前提のアメコミ世界に於いて、ミラークラスの大御所がモノクロで描くということがどういうことなのかってのと相俟って、映画への期待が否応無しに…

中山昌亮『不安の種 3』

巷でどのくらい話題なんでしょうか。今最も新しい体裁であろう反則恐怖漫画最終巻。てか終わっちゃったのか。勿体無い。今ホラー業界は活発な新陳代謝をしている様な状況だと思います。 『呪怨』や『新耳袋』平山夢明の一連のシリーズなどの文脈から産まれた…

高橋葉介『夢幻紳士〜幻想篇』

出たよ出たよう! おっかない方の魔実也ですよ。 二十年描きに描いてるフォーマットをまだいじくるかこの大先生。 単発、長編問わず天才的な変則作話法はこの作家のベース・フォーマットなんだけれど、今作は通常とは一線を活す大技です。 虚構と現実、男と女…

藤子・F・不二雄『ドラえもん+プラス』

新カテゴリ。 ドラえもん多過ぎとか言われてはいるんですが。だって好きなんだもん。 全作単行本未収録作のドラえもんとか言われると何故か妙に昂ぶるもので。内容は主に『小学×年生』等の学習雑誌系発表で収録漏れしたものでした。ところが思ってたよりこれ…