藤子・F・不二雄『ドラえもん+プラス』


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ドラえもん多過ぎとか言われてはいるんですが。だって好きなんだもん。
全作単行本未収録作のドラえもんとか言われると何故か妙に昂ぶるもので。内容は主に『小学×年生』等の学習雑誌系発表で収録漏れしたものでした。ところが思ってたよりこれ面白いの。
元々F先生の一連の漫画はテクニカルなものなのですが、児童向き、少ないページ数などといったことがその技法的な面をうまいこと際立たせています。例を挙げれば『なんとかバチ』。「困った時何とかしてくれるハチロボット」という漠然とした触れ込みの道具だて、連鎖的にのび太のトラブルをやっつけていくドライブ感溢れる展開が表紙こみで8ページだなんて!
それから低学年向け漫画における著しいのび太のばかさ加減。
「とうふは頭にのせて運ぶもんだぞ」
「こうかい?」
といったやり取り、かねてから夢だったという「カップ麺十個一ぺんに食う」と言った発言、目がくらむほど笑いました。つーかやばいって。


あと嬉しかったのは『強いペットがほしい』という話。
出木杉(多分)が飼ってるでっかい犬より強いペットが欲しいと泣きつくのび太ドラえもんとアフリカにライオンを捕まえに行く。小さくしたライオンをミニチュアのサバンナに改造した天井裏で飼ってみるが、結局可哀想になって戻すという短いエピソード。
ああそういえば子どもの時、こういう秘密基地感というか箱庭めいた一人遊びっぽい感覚がすごい好きだったなあと二十年ぶりくらいに思い出し。ちょっと胸に沁みました。


大人としてF先生のソリッドなギャグ漫画に笑いつつ、懐かしい感覚も味わえ。昭和60年頃コロコロコミックで育った藤子チルドレンは読んどくと楽しいと思いますよ。


しかしF漫画売ってないぞ。どうなってんだ書店。『モジャ公』読みたいよう。