志村志保子『女の子の食卓 3』
最も近くさわったものが映画『マタンゴ』と実話怪談本だったので、熟考の上こうなりました。一巻は既に二年前か。すごいな。
詳細は下のエントリ見れ。二年前の。
一巻に比べて二巻はエロなし男女関係控えめだったんですが、その分些細なすれ違いとか価値観の差異を取っ掛かりにするテーマゆえ、妙に道徳的な感じがしましたのです。道徳的になっちゃうというべきか。有島武郎『一房の葡萄』とか彷彿と。
その辺りを踏まえた感じで、三巻は結構際どいところだった前作より少女漫画感が濃くて快いのです。今回もエロなしでしたが。
ベストは順不同で『グリンピースおにぎり』、『カップ焼そば』、『なまり節』。二巻は『かも南蛮』です。
特に『なまり節』は道徳系ネタとしてはその範疇を超える表現であり、秀逸。
志村作品の痛ましい「女の子」たちは、そのやわらかさを無愛想でくるんで「女性」になっていくのだなあ、と志村作品女子のフィードバックにうなったりしました。どちらもいとおしいよね。
巻末短編『この庭で宝石』が一連のシリーズとは手触りががらりと違う作品で、独特なバランスの悪い読後感も伴い素晴らしいです。エロいし。
エッセンスでエロが入る方がなんつーか、破壊力が違うと思うんですが、どうすか? 誰に聞いてるんだろう。
- 作者: 志村志保子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/07/13
- メディア: コミック
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