志村志保子『女の子の食卓』
珍しくジャケ買いしました。なかなかどうしてよろしかったのです。
女の子のささやかな日常を食べ物に少し引っかけて切り取った短編連作。
繊細な、ささやかな、脆弱な、取るに足らない、ともすれば何も起きていない様にすら見えるかもしれないあれこれ。例えば「地方の女の子と都会から来た女の子のすれ違い」とか「少し大人びてきた近所の男の子に恋をする」なんて大筋を抜き取って文字に起こしてしまうと、緻密な線画の上にマジックで主線を引いて台無しにするような、簡単に潰れてしまう題材を見事に留めているといいますか。
『綿菓子』とか最初期の江國香織を彷彿とさせられる作風で、久々に続刊に期待したい作家で嬉しい限り。個人的に「ディジョンのマスタード」がかなりロリコン系変態心を刺激されるエロ度合いですごかったのでおすすめです。何がだ。
- 作者: 志村志保子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/10/14
- メディア: コミック
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