佐藤佐吉『東京ゾンビ』

東京ゾンビ』を観てきました。惜しかったです。

花くまゆうさく周辺にはあまり興味がなく、哀川浅野のハゲアフロが動く様を見たいってのが初期衝動だった割に、結構期待してしまっていたのです。柔術使いの工員×ゾンビ世界サバイバル→見世物ゾンビプロレスって流れはかなりよかったというか映画向き。
原作ものってペン入れ作業みたいなもので、多分そのまま丁寧になぞるだけで結構立派な映画になっちゃうような下書きな分、粗が際立っていたような気がしました。色々事情もあろうけど、原作の血も涙もなさはかなりぬるくなっちゃったしね。
その分「ありえたかもしれない」補完部分は比較的綺麗に機能してたと思います。やはり『牛頭』を彷彿させる異常に説得力のあるしょーもなさは流石和製チャーリー。故に予算が少なかったのかチープに撮りたかったのか判別のつかない画面作りというか「チープな絵作りに見せかけた予算不足か?」という風情が水を差すので「惜しい」となったわけですよ。やれやれ。
翔さん浅野君は勿論堂に入った牽引ぶりでしたが、古田新太が素晴らしかったです。あのおっさんどうしてあんなにおねえちゃん好きで好きでたまらないオーラなのにホモ演技に説得力があるのだろう。

その他徒然に浅野君は舎弟体質だったんだなあとかゾンビって夏場は腐敗が早いから腐敗待ち戦法とかは有効かなあとか、腐乱死体のゾンビって違う意味で泣いちゃうだろうなあとか、スキーウェアとか噛まれ難くていいんじゃないかなあとか思った。

あと予告、『ホテル・ルワンダ』と『エリ・エリ レマ サバクタニ』は観ようと思いました。「中原昌也で映画を撮る」って一種の業界ジョークじゃなかったのですか?

原作は文系男子心わし掴みで推奨です。映画は、お好みで。

東京ゾンビ

東京ゾンビ