木城ゆきと『銃夢 Last order 10』

闇雲に増殖するノヴァ教授やらケーブル代わりの手足を爆薬で切断して強制接続遮断とか非常に好ましかったんだけど、やっぱり全体的に緊張感に欠けるのは何でなんだろうと熟考の果て。

「テキサス感((c)映画秘宝)の減少』という結論に辿り着いたのだけど納得して頂けるだろうか。

「肉体と精神」にまつわる諸々がどんどんうやむやになってきており。特にノヴァ教授の自由度はあまりにも過ぎて、SF設定でギャグマンガの体質(不死身とかね)を獲得している希少例。
例えば初期に於けるチップ脳に対する切迫感とかを現状と比べると分かり易いんだけど、『Lastorder」は全体的に観念に走り過ぎちゃっていて、皮膚感に訴求してこない作りになってると思うのです。それプラス緊迫感のないシナリオが相まって、ガリイの脳剥奪シークエンスのなんだ、ぬるいこと。

クズ鉄町が明らかにテキサスい舞台だった所為もあるんだろうけどね、最近の無邪気さは、どうにも引っかかってしょうがありません。
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