本読

西尾維新[不気味で素朴な囲われた世界]

さっき読了。かつて職場に放置しといたファウストに載ってた前作『きみぼく』をうっかり読んだ京極ファンの後輩女子(生理的にオタクが嫌い)に、大変不愉快な小説であるとものすごい苦情を受けたことがあるのだけども。 彼女の不快感は全て前作の萌え要素に対…

西尾維新『ネコソギラジカル(中)赤き征裁vs.橙なる種』

裏タイトルは『西尾維新の最終回殺し』ですか。 戯言シリーズ最終巻の中巻です。中途半端なタイミングに書きますよ。相変わらず凄まじい空中感覚といいますか、大量のキャラ立てとアクロバティックな展開。 自由度の高い世界設定でまったく拡散しないストー…

拡大版 『ローレライ』と『終戦のローレライ』

映画もまあそれなりだったと思うし、小説は水準レベルを超えた力作だったとは思うのです。ただ何かどうにも引っかかるというか、何故二千ページを超える大作を読んで妙な徒労感を感じるのかとか、役者陣の熱演にしか喜べないこの己のモチベーションの低さの…

中島望『ハイブリッド・アーマー』

先月出た『地獄変』は未読なのですが。 中島望と言えば、極真空手使いの高校生がいろんな武術を使う不良集団を空手でやっつけるデビュー作『Kの流儀』以降、その溢れんばかりの中学生マインドを原稿用紙に叩きつける様な作風でぼく的に御馴染みです。遺伝子…

井上雅彦監修『異形コレクション〜ロボットの夜』

買い置きがまだあるのですよ。 ジャンルとしてのホラーや幻想に拘泥せずに「異形」と銘打っているだけあって、今作は良質のSF短編の収録が多く、古巣に帰った様な喜びが味わえました。 石田一『夜のロボット』、眉村卓『サバントとボク』、岡本賢一『LE…

井上雅彦監修『異形コレクション キネマ・キネマ』

角川ホラーのアンソロジーとか読むの馬鹿馬鹿しくなる程にゴージャスな短編集。 不埒な読書人として、未読の大御所や新人を手軽に勉強できる媒体として重宝しています。今作は、どうもシネフィルくさい文章と「現実と映画の混同」テーマの作品は安易な気がし…